[職員自殺]金剛市長と有識者会議が、調査結果を発表(2)

臨時記者会見(2021年3月29日)

2021年3月29日、『宇陀市職員の死亡事案に関する有識者会議』会長が、記者会見に出席し、報告書の説明をした。

有識者会議のメンバー
・井上直治氏 弁護士・大阪芙蓉法律事務所 奈良事務所(有識者会議 会長)
・神澤 創氏 帝塚山大学心理学部教授・県臨床心理士会理事・県自殺対策連絡協議会座長
・志茂志津代氏 社会保険労務士・県社会保険労務士会副会長
・総務部長・総務課長・人事課長も説明・事務で同席した。

有識者会議は、2020年11月2日から2021年3月16日まで、7回おこなわれた。

有識者会議 井上会長
有識者会議は、原因究明・事実関係の把握・再発防止の提言をおこないました。

原因は、宇陀市立病院の電子カルテシステムウイルス感染(2018年10月16日発生)の対策について、2019年10月1日付けで、宇陀市立病院情報システム管理室の室長になったA室長(当時59歳・男性・2020年2月2日に自殺)が、コンピューターについて詳しくはなかったようですが、専門性・事務量で、A室長に業務が集中していました。
幹部の方々も、その点は認識はされており、対応はとられていたようですが、対応が十分ではありませんでした。

亡くなられたA室長は、まじめな方で、A室長に業務が集中する状態が続いていました。人員配置の不備がありました。スケジュール管理・業務管理の欠如(けつじょ)がありました。

さらに、前市長と市議会が、美榛苑の問題で対立して、対話が欠如(けつじょ)した状態でした。なかなか市議会の同意を得て「(ウイルス感染の)安全宣言」への道すじが見通せない状況に、A室長はおかれていました。

上司の発言について、パラハラと認められるような発言はありませんでした。不適切な発言はありました。
自死される直前には、A室長は、うつ状態になっておられて、自死されたと考えます。

再発防止策としては、管理職のマネジメント意識の喚起、管理能力の向上が必要で、「①マネジメント研修」が必要だと考えています。

今回の件が、違法なパラハラに当たるかどうかは別として、適切性を欠く言動があったので、パワーハラスメントについての意識喚起が必要です。職員に「②パワーハラスメント研修」をしていただきたいです。

職員に「③メンタルヘルスリテラシー研修」をおこなっていただきたいです。自分の心の異変に気づくことができるようになっていただきたいです。

職場に「④相談窓口を設置」していただきたいです。現在も相談窓口はあるようですが、あらためて、職員が相談しやすいよう、「制度的」にもうけていただきたいです。

「⑤専門職のカウンセラーを配置」していただきたいです。

報告書では、以上を提言させていただきました。

職員の命がうしなわれた深刻な事態であったと思われます。宇陀市には重く受け止めていただいて、幹部職員だけでなく、A室長の様子をまわりで傍観されていた、まわりの職員さんも多数いらっしゃったと思いますので、全市をあげて、市議会もふくめて、問題意識を喚起していただいて、つねに問い続けていただきたいと願います。
(竹田かつじ)

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