[農業]薬草の大和当帰、宇陀を救う名産品になるか?

大和当帰(ヤマトトウキ)
大和当帰(ヤマトトウキ)

宇陀市内で、大和当帰(ヤマトトウキ)を栽培している人は、約80人(農林商工部産業企画課調べ)いる。
大和当帰は、葉は天ぷらにして食べたり、根は漢方薬になる。
3~4月に植えて、12月に収穫するそうだ。

奈良県も宇陀市も、大和当帰の普及に取り組んでいる。地域振興につながればと期待をしている。
宇陀市薬草協議会が、苗の販売、収穫後の買い取りをおこなっている。

大和当帰(奈良県産業政策課新産業創出係)

大和当帰(奈良県産業政策課新産業創出係)
大和当帰(奈良県産業政策課新産業創出係)

大和当帰を栽培している人に話を聞いた。

記者「大和当帰の栽培は、もうかりますか?」

農家「もうからないなぁ。ふつうの野菜と変わらんわ。手間かかるしな。」

記者「手間?」

農家「連作(同じ場所で同じ野菜を毎年育てること)できない作物なんや。一回育てたら、その場所では5年間は栽培しないことが推奨されている。せやけど、場所がここしかないから連作するしかないわな。ここ、見てみ。葉が黄色いやろ。連作の影響で枯れてるんや。」

記者「あぁ、枯れてますね。」

農家「良いのは1キロ500円くらいで買い取ってもらえるけど、悪くなると1キロ300円くらいに落ちるんや。今年は、この場所の大和当帰を全部買い取ってもらっても、1万円くらいやろな。大和当帰だけを育てている人っていうのは、いないと思うで。みんな、いろんな野菜を育てながら、ついでに大和当帰も育ててるわ。」

宇陀には、使われずにそのままになっている畑がたくさんある。
大和当帰は栽培に手間がかかるそうだが、高値で売れる・育てる手間の少ない薬草は、ほかにないものだろうか?
(経済部 山本茉莉)