[財政]「お金がない」経常収支比率99.3%

宇陀市役所
宇陀市役所

宇陀市の経常収支比率は、99.3%となっている。
経常収支比率は、一般的に70~80%が適正水準といわれている。
企画財政部財政課に内訳を明らかにしていただいた。

経常一般財源(分母となる収入)
合計:113億3,789万7,000円
・地方税      27億2,309万2,000円
・地方譲与税     1億6,398万5,000円
・利子割交付金      792万0,000円
・配当割交付金      3,010万2,000円
・株式等譲渡所得割交付金 2,992万1,000円
・地方消費税交付金  4億3,939万5,000円
・ゴルフ場利用税交付金  5,874万4,000円
・自動車取得税交付金等  5,417万2,000円
・地方特例交付金     1,021万2,000円
・普通交付税     72億9,002万8,000円
・交通安全対策特別交付金 416万4,000円
・使用料及び手数料    725万5,000円
・財産収入        539万8,000円
・その他諸収入      1,130万9,000円
・臨時財政対策債   5億0,220万0,000円

経常経費充当一般財源(分子となる支出)
合計:112億6,271万2,000円
・人件費      30億6,436万2,000円
・物件費      10億8,178万9,000円
・維持補修費      9,180万5,000円
・扶助費       7億8,752万2,000円
・補助費等     19億8,548万4,000円
・公債費      28億1,988万1,000円
・繰出金      14億3,186万9,000円

宇陀市の経常収支比率99.3%は、全国の市町村平均92.8%より数値が高く、財政状況は悪い。
80.0%まで改善させようとしたら、今の支出額112億6,271万2,000円を、21億9,000万円も削減しなければならない状況である。

奈良県内で、100%を超える「重症」市町村は、桜井市(103.6%)、御所市(103.6%)、天理市(103.3%)、河合町(103.2%)、野迫川村(102.3%)、奈良市(100.7%)、黒滝村(100.7%)となっている。

奈良県内で、全国の市町村平均92.8%より悪い「要治療」市町村は、宇陀市(99.3%)、五條市(99.0%)、大淀町(99.0%)、上牧町(98.7%)、田原本町(98.2%)など20市町村となっている。

奈良県内で、全国の市町村平均92.8%以下の「健康」市町村は、曽爾村(82.6%)、御杖村(85.5%)、山添村(85.5%)など12市町村となっている。

※経常収支比率の計算方法について、財政課に教えていただいた。
財政課「経常収支比率を算出するにあたり、以下の手順で計算を行います。」
①普通会計純計決算額を算出する。
※本市の普通会計は”一般会計””住宅新築資金等貸付事業特別会計””霊苑事業特別会計””土地取得事業特別会計”の4会計です。
※各会計の単純合算ではなく、各会計間の重複した部分(繰出・繰入)は控除します。
②普通会計純計決算額から人件費、扶助費、公債費のように毎年度経常的に支出される経費(経常的経費)と地方税、普通交付税を中心とする毎年度経常的に収入される一般財源(経常一般財源)を算出する。
③経常経費充当一般財源を経常一般財源で除して経常収支比率を算出する。
財政課「以上、分かりにくい点があるかとは思いますが、経常収支比率は、普通会計決算額で算出するのではなく、経常的な経費及び収入をもって算出するため、決算額とは数字が大きく異なるものとなります。」

(経済部 松本伸一)