[教育]税についての作文、全国納税貯蓄会長賞を受賞

大宇陀中学校

令和4年度(2022年度)中学生「税についての作文」で、大宇陀中学校2年生の萬世啓士郎さんが、「全国納税貯蓄組合連合会会長賞」を受賞した。

萬世さんの受賞作は、『森林環境税について』という題名で、奈良県や宇陀市に身近にある森林について取り上げ、着眼点がすばらしかった。

森林環境税について
宇陀市立大宇陀中学校2年 萬世 啓士朗
僕の住んでいる奈良県は県全体面積の七割が森林におおわれていて、全国でも第五位の森林県だそうだ。実際僕の家の周りも山に囲まれていて、僕はこの自然豊かな場所がとても気に入っている。しかし今日本ではその豊かな森林が様々な問題を抱えている事を知った。
夏休みのお盆前、僕は祖父に誘われて私有地の山を一緒に歩いた。その時祖父から山について色々な話を聞いた。
昔は林業も盛んで山の木も高く売れたので山を持っている人達はどんどん木を植えた。そして良い木を育てるために混み入った木を切り倒す“間伐„という作業を行ったそうだ。そうする事で地面に光が当たり木の育ちも良くなり、根っこもしっかり張るので土砂崩れや風雪災害も防げていた。
しかし現在は林業経営も厳しくなり、間伐を行える人も少なくなってしまった。そのために山の整備が十分行われなくなり、管理が不十分な森林が増えてきているらしい。
一緒に歩いた山もうす暗く、木が生い茂り、地面に光が当たっていなかった。祖父は、この辺りの山は、近いうちに部分的に木を切ってそこに地域の特性に応じた広葉樹を植える予定だと話していた。これは将来的に手間のかからない森林を育成する事を目指して行う県のモデル事業だそうだ。木を無償で提供する代わりに、県が整備費用を負担してくれる。その費用に奈良県独自に導入した「森林環境税」があてられているという。調べてみると奈良県だけでなく、各都道府県でも森林づくりを目的とした税制度が導入され、森林を守るための色々な取り組みをしている事が分かった。そして二〇二四年からは国税としても「森林環境税」が導入され、その財源で森の整備を適切に行い、自然災害の防止や後継者の育成資金などにも使われるそうだ。インターネットで見ていると、地方税と国税で重複して徴収されることに批判的な意見もあった。森林の少ない地域に住んでいる人達は自分には関係ないと感じているかもしれない。しかし大規模な土砂災害では都市部への被害も及ぶため森林地域だけの問題ではない気がする。
そして近年SDGsの関心の高まりによりSDGsの達成には森林の整備が欠かせないとも言われている。
今の日本にとって必要な税があるからこそ今後、その使い道や活用方法に注目していきたいと思う。