[経済]インターネット圏外が多い宇陀市、デジタル化の問題

宇陀市のインターネット(Wi-Fi)環境

2020年、携帯電話は5Gが始まった。

5Gは、実効速度が現在ある4Gの100倍となり、遠隔医療・学校教育・スポーツ観戦・リモートオフィス、家電など、いろいろなところで活用されると期待されている。
携帯電話は、電気・ガス・水道などのように「生活インフラ」とみなされるようになった。

2021年9月にデジタル庁が設置される予定で、平井卓也デジタル改革担当大臣が、準備を進めている。

宇陀市では、インターネット(モバイルルーター)が圏外となっている場所がたくさんある。榛原も、大宇陀も、菟田野も、室生もである。

たとえば、佛隆寺(榛原赤埴)の「千年桜」を小型中継器を使って、宇陀チャン11chで生放送するテストでは、電波が届かず、実現不可能だと分かった。

「不感地域は「企業も人も誘致しにくい」ため、地方創生の要となる産業振興で大きな後れをとってしまう。さらには、労働力不足などを背景に、農業や水産業といった第1次産業でのIoT(モノのインターネット)活用が叫ばれる中、IoT化の流れに取り残される恐れがある。(岩手県 政策地域部 総括課長)(ニュースイッチ記事「あと0.01%でも終わらない゙…携帯電話”不感地域”を解消すべき理由」より)

山々にかこまれた宇陀市では、アンテナ基地局の設置費用は、大都市平野部よりも高額となってしまう。人口が少ない・採算がとれないなどの理由で、アンテナ基地局の設置がされず、「デジタル難民」が発生してしまっている。
アンテナ基地局を設置するのは、行政ではなく、携帯電話会社である。政府は、携帯電話会社にアンテナ基地局を設置するための補助金を出しているものの、総務省によると、携帯電話の人口カバー率は2018年3月末で99.99%と言われており、アンテナ基地局の設置は一段落してしまった。

大都市平野部では、これから5Gアンテナ基地局が新設されていくだろうが、5Gは、現在の4Gアンテナ基地局を転用して併用することでも可能なため、宇陀市のような山間部では、現在の4Gアンテナ基地局を5Gに転用して併用するだろう。
しかし、4Gを転用した5Gは、性能が4Gとほとんど変わらない。画面に5Gと表示されるだけで、「なんちゃって5G」と言われている。

したがって、5G対応の携帯電話(スマートフォン)に買い換えても、現在の宇陀市においては、4Gと性能がほとんど変わらない。
5G対応の携帯電話(スマートフォン)の購入は、注意が必要である。