[事件]女子大生強姦事件、裁判2日目、被告「覚えていません」

奈良地方裁判所葛城支部(大和高田市)
奈良地方裁判所葛城支部(大和高田市)
法廷内イメージ図
法廷内イメージ(被告の母親が証人として出廷)

2020年1月20日、奈良地方裁判所葛城支部にて、宇陀市内で2010年(平成22年)に起きた強姦事件の裁判(奥田哲也裁判長ら裁判官3名)の第2日目がおこなわれた。

この日は、証人尋問、被告人質問がおこなわれた。

【証人尋問】
被告の母親『潤は、家族想いで、優しい子です』

証人として、大川潤被告の母親が、出廷した。
被告の母親は、泣きながら証言しているときがあった。
被告も、泣きながら聞いているときがあった。

被告の母親は、弁護士・検察官からの質問に答えた。

被告の母親
「事件当時は、同居していました」
「2017年10月に、脳神経外科でCT受診させたことがあります。潤が、車で寝ていたことを、まったく覚えていないと言っていたからです」
「潤が「記憶がない」と言うことは、何回か聞いたことがあります」
「脳外科の診察では、異常は見つかりませんでした」
「潤が「事件をおぼえていない」と言うのは、そういうことがあるのかなぁと、不思議には思います」
「潤は、うそをついているようには思えません」

検察官
「事件を覚えていないと言う息子さんは、真実を話していると思うか?」

被告の母親
「潤は、うそをついているとは思えないです」(泣)

【被告人質問】
被告『事件のことは、覚えていません』

大川潤被告は、弁護士・検察官・裁判官からの質問に答えた。

弁護士
女性被害者は、犯人から「会社を辞めさせられた」「女にもすてられて」「自分はまだ23歳だ」「大阪で飲まんかったらよかった」と言われた。
これ全部、犯行当日(2010年6月7日)のあなたに当てはまっていますよね?

被告
「犯行を認めたのは、警察からDNAが一致したと言われたからです」
「犯行はおぼえていません。でも、被害者の方には申し訳ないと思っています」

弁護士
「記憶をなくすことは、これまであったか?」

被告
「家のなかで、服を着たまま、風呂に入っていたことがあります。台所で寝ていたことがあります。外で、お酒を飲みにいったとき記憶をなくしていたことがあります」
「家で一人でお酒を飲んで、朝起きたら、家から100メートルほど離れた車のなかで寝ていたことがあります。家を出た記憶、車に乗った記憶はありませんでした。脳外科CT検査では、異常はありませんでした」
「記憶をなくすことがあるようになったのは、成人してからです」
「(事件当時の)23歳のときは、お酒を飲む量は多かったと思います」

検察官
「犯行当日、榛原に行った記憶はあるか?」

被告
「榛原に行った記憶はありません」
「記憶はありませんが、警察から、同僚とお酒を飲んだ帰りに榛原に行っていると聞きました」

検察官
「犯行日は、大阪で仕事を辞めた日ですよね。そして、夜に大阪で同僚とお酒を飲んだ。そんな日を、まったく覚えていないのか?」

被告
「その日、夜からのことは、おぼえていません」
「榛原にいたことも、犯行したこともおぼえていません」

検察官
「記憶がなくなる原因は?」

被告
「今まで同じようなことがあって、特定できないと思います。事件については、お酒を飲みすぎたのかなと」

検察官
「病院に行ったとか、知らないところで寝ていたとか言っているが、お酒が原因ではないのか?」
「お酒を飲んでなくて、記憶をなくすことはあったか?」

被告
「多少、お酒は入っているんですけど。自宅で飲む量は、外で飲む量よりも少ないです。量が違うと思います。家のなかで、服を着たまま風呂に入っていたり。そんなに飲んでいなかったつもりです」
「お酒をのんで記憶をなくすことは、大人になってお酒を飲むようになってから、ずっと続いています」

検察官
「あなたは、女性のあとをつけて、後ろからつかまえて押したおし、女性に乱暴をして、口封じして逃げた。とても合理的な行動をしていた。まだらでも、少しでも、おぼえていないのか?」

被告
「おぼえていません。榛原駅でおりたことも、おぼえていません」

検察官
「これまで女性に「殺すぞ」と言ったり、暴力をふるったことがあったか?」

被告
「ありません」

検察官
「では、なぜ、このような事件を起こしたと思うか?」

被告
「おぼえていません」

検察官
「おぼえていませんではなくて。あなたは、女性に「殺すぞ」と2回も言ってたんですよ。また事件を繰り返したときに、「おぼえていません」じゃすみませんよね?」

被告
「これからは、お酒に気をつけたいと思います」

女性被害者は欠席、「犯人の声を、つらくて、聞いていられない」

女性被害者は欠席した。
代わりに、検察官は「女性被害者の陳述書」を読んだ。

「事件から10年近くたちますが、つらい思いをしてきました」
「前回の裁判では、勇気をふりしぼって出席しました」
「被告の声を聞いて、「殺すぞ」と言われた記憶が、はっきりとよみがえりました」
「涙があふれて、止まらなくなりました」
「10年間、「殺すぞ」といわれた記憶がつねにあり、今でも、男性の近づいてくる足音がこわいです」
「日中でも、こわいです」
「事件で生活が一変してしまいました。裁判をきっかけに、区切りをつけたいですが、これから自分が回復できるのかは分かりません」
「被告人のことは今でも許せません、厳重な処罰を求めます」

次回は、2月10日13時半から、検察官の論告・求刑、弁護士の最終弁論、被告人の最終陳述がおこなわれて結審する見込みである。

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