議長「あなたは正しいかもしれないが、やり方が間違っている」と苦言(動画あり)

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2019年7月17日におこなわれた100条委員会「専決処分承認審査特別委員会」で、市長への証人尋問の終了後、議長が、高見市長に意見を述べた。

議長
「本日の尋問を終了するにあたり、各委員からの尋問、証人(高見市長)の証言をうかがって、私から再度、証人(高見市長)に申し伝えたい、こういうことがございます。証人(高見市長)の証言をお聞きして、状況と言いますか、状況説明と言いますか、そういうものが、非常に多く、おうかがいをいたしました」

「今回の美榛苑の指定管理の指定は、3回の公募による応募がなく、一時休館に追い込まれ、議会からの責任追及に、証人・高見市長は、知り合い・知人をつうじて紹介されたアスクゲート社が応募に応じていただきました。が、しかし、選定委員の審議の結果、基準点に達しなかったため、指定業者に選定されなかった、このことが、証人・高見市長にとって、大きな読み違い、あるいは誤算が起こった、というふうにご理解をしているところでございます」

「それは昨年10月に、美榛苑の指定管理者の公募を実施するにあたり、産業企画課が起案をした選定委員をですね、そのほとんどを変更されて、高見証人・市長自身がみずから選びなおした新しい選定委員であったから、まさか選定されないとは、夢にも考えていなかったのではないでしょうか?」

「しかしながら、選定委員のみなさまは、事実をしっかり受け止め、市長からの業者選定付託に対し、提出された基準点(70点)を参考に、応募要領に示された申請書類を精密に精査するとともに、面接をおこない、アスクゲート社の関係者との綿密な聞き取りを、予定の時間を超えて実施していたこと、適切・妥当な審議結果を導くために、鋭意ご努力をいただいたと、このように理解しているところでございます」

「審査結果は、最高が74点、最低が55点、70点以上の採点者は1名、70点未満の採点者は4名、大きくばらついたわけでもなく、選定委員として極めて冷静にご審議をいただき、選定報告をおこなっていただいたと、理解できるものでございます」

「この採点結果の報告を受けて、高見証人は、公務員が守らなければならないコンプライアンス・法令順守をないがしろにされたんではないかな、そのような行動が感じられるところでございます。なぜなら、ご自分がトップセールスというかたちで、知人から紹介を受け、応募を約束していただいたアスクゲート社が、ご自分が自信を持って選んだ選定委員から、選ばれなかったからでございます」

「そこで(2019年)3月29日午後の7時から、選定委員の説得をおこない、アスクゲート社の社長に会うことを懇願されておりました。が、しかし、選定委員のみなさんの良識は、それを認めませんでした。なんとしても、アスクゲート社を指定管理者に選定するため、選定委員さんへの説得を続け、今回の専決処分までこぎつけたことが、この事件のてんまつではないかと、考えるところでございます」

「証人(高見市長)、お聞きください、あなたは正しいのかもしれない、ただ、それが、正しいやり方でおこなわれないと無意味になる。これは、作家、灰谷健次郎という方の書に書かれているわけでございます。このことをしっかり心に留め置いていただきたい、というふうに思ってございます」

「そして、宇陀市が正しい地方自治のルールと、監視のもとで運営され、独断的・独裁的な、そのような身勝手な法解釈や運用が、1日でも早く改善されることを期待し、本日の特別委員会の結果を審議していきたいと思うところです。相当、時間も費やしました。以上で、高見省次宇陀市長に対する、本日の尋問を終了したいと思います。証人(高見市長)におかれましては、ここで退席をしていただいて結構でございますが、本当に、長時間にわたり、特別委員会にご協力いただき、感謝をいたします、ご苦労様でございました」