[市議会]5月臨時会、市長の専決処分には批判が続出(動画あり)

宇陀市役所前
宇陀市役所前で高見市長に抗議する市民

2019年5月13日(月)10時、令和元年(2019年)第1回臨時会が開会された。
高見市長がおこなった美榛苑指定管理者の専決処分について、議員から批判が続出した。
専決処分に関して、主な発言は以下のとおり(要旨)。

菊岡議員
「誰の権限を、専決処分したのか?」
高見市長
「市長として専決処分しました」
上田議長
「そんなことは質問していません。誰の権限を代理したと考えているのか。179条に、議会の議決すべきことと書かれているが・・・」
高見市長
「・・・」
菊岡議員
「市長は、議会の議決権を、剥奪(はくだつ)したんですよ」

井戸家議員
「議会を緊急に開会できたのでは?」
高見市長
「緊急避難的措置でした。議会を開会する時間はありませんでした。総合的に考えて専決処分をしました。」

菊岡議員
「3月29日の協議は何だったのか?市長が出席していたのはなぜか?公平性がなく市長の圧力を感じさせる。市長知人(経営コンサルタント?)が出席していたのはなぜか?選定委員たちへ説得工作をしたのか?」
「選定委員会は結果を変えないと言っていた。「応募企業は宇陀市にとって価値のある可能性を秘めている」と認めさせたのはなぜか?」

高見市長
「採点は、20項目100点満点で、1点から5点をつけていくもので、点数で評価することはできないと思いました」
「2018年10月の募集前に、合格点を50点から70点に上げた決裁を反省しています」

高見市長
「合格点70点は、自主ルールでしかありません」
上田議長
「合格点は、条例で決められたものだ。自主ルールではない。市長の主観で言わないでいただきたい」

菊岡議員
「市長は、選考後、選定プロセスに不備があったと言っていたが、業者への便宜(べんぎ)、市長の恣意性(勝手)を感じさせる」
高見市長
「30点~40点なら言わないが、61点も取っています。業者には美榛苑を管理する能力があります」

菊岡議員
「選定委員会の結果を守るべきではないのか?選定委員会の結果はどこにあるのか?」
「高見市長の、こんなずさんな行政運営が許されるのか?」
高見市長
「選定委員会は審査結果(3月26日)を変えないと言っていました。3月29日の協議でも委員会は審査結果を変えないと言っていました。委員会から「市長に預ける」という気持ちをいただき、文章を作成しました(市長は、以下の文章を作成)」

高見市長が保身のために作成した文章
高見市長が作成した文章

宮下議員
「合格点を70点に上げた経緯は?」
農林商工部次長
「2018年10月9日に決めました。サ-ビスの維持・向上、全国的に見て、70点が妥当と考えました」
高見市長
「70点にすると決裁したが合理的理由はなく反省しています。選定委員会の点数は変わりません。法律ではなく、自分たちで決めていくこと、合格点70点を反省し、自分の執行権のなかで決断しました」
宮下議員
「あなたは市長なんですか?市長は保身に走っている。専決処分を特権だと思っているのか。こういう事態になったあなたの責任には一切触れず、自分を正当化している。市民を人質にとり、議会のせいにしている。トップとしてやっていけるのか?」
高見市長
「指定管理者の専決処分は、自分の権限で決めました」

宮下議員
「3月26日と3月29日の議事録は?」

高見市長
「3月26日と3月29日の議事録は出せません」

上田議長
「公文書のなかで、議会に出せない公文書なんてあるんですか?」
前田副市長
「個人情報で出せない部分もあるでしょうが、議会には調査権があります。調整が必要だと思います」
廣澤議員
「市長の権限は、条例を超えてできるのか?」
森本総務部長
「市長の権限は、条例を超えてできません」
山本議員
「まず、議員14人全員はアスクゲートに感謝しています。市民も喜んでいる。我々の仕事は、市長の専決処分について承認・不承認するのが仕事です。だから、高見市長は3月29日の議事録を出してください。高見市長は信用してくださいと言っているが、市長の思い、1枚の作成した文書だけでは、市議会は承認も不承認もできません」
「信用調査会社の点数(リスクスコア)を出してください」
「高見市長の専決処分を承認したくても、高見市長が良い会社ですと言っているだけで、資料がありません」
「朝は、選定委員の同意を得られたと答弁を聞いた。昼は、選定委員の審査結果は変わっていないと答弁を聞いた。答弁が変わっている、これでは議員は正しく判断できない」
高見市長
「3月29日、選定委員に正式に申し入れた協議では、選定の手続きに不備があったと話しました。信用調査を明らかにして、会社の可能性を選定委員に説明しました。3月26日の採点結果(61点)は変わりません」
「市議会に資料を出すにしても、手続きが必要です」
上田議長
「すばらしい会社であると判断した資料はあるのか?」
井谷議員
「応募会社について判断できる資料は、行政側から、これしかもらっていないんです」

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井谷議員
「市長は総合的に判断したと言っているが、それらの資料を出してください」
「高見市長は、高見市長が批判していた伊那佐加工所の問題と同じことをしていますよ」

高見市長
「資料を出したいと思いますが、個人情報が含まれていますので、できれば総務産業常任委員会の開催をお願いしたいと思います」

多田議員
「3月26日の不合格で終わっていたんですよ。3月29日の協議内容を明らかにしてください」
「高見市長は、なぜ市議会に報告しない。何回も指摘している。なぜできないのか?」
「美榛苑が再開して、客数・雇用はどうなっている?」
農林商工部次長
「元従業員40数名について、40名程度の再雇用が決まっていると聞いています」
「日帰り入浴者は2,624人、4月25日から昨日(5月12日)までの数字です」
多田議員
「どんな理由があれ、専決処分はもってのほか。議会で承認を得るべきだった。随意契約、業者への有利を図ったように見える」
高見市長
「専決処分は、休館による損失・雇用・地域経済への影響を回避するためです。大きな予算を専決処分したということではございません。マイナスを避ける専決処分であったとご理解いただきたい」

松浦議員
「政治責任は?」
高見市長
「政治家である以上、住民が求めるものを、結果として作り出す、ということです」

井谷議員
「自主ルールと言っておられるが、それを管理しているのも市長だ、なぜ守らない?」
「高見市長は採点のあいまいさを言っていたが、ならば採点をなぜやり直さなかった?」
「宇陀市長の決裁の重みは?そんなに軽いものなのか?」
「179条に違反している可能性もあるのでは?」
高見市長
「採点をなぜやり直さなかったのは、そのためにやっているということになってしまいます」
「1日も早い再開のために緊急避難で179条にそっておこないました」
「宇陀市長の決裁の重み、不徳の致すところです」
井谷議員
「現場の職員だったら、不徳の致すところで済まされるのか?」
「市長が自信を持って見つけてきた業者、合格点を50点に下げるのは業者に失礼なことをしているのでは?」
奥議員
「宇陀市のほかの指定管理者の選定はどうなっている?」
森本総務部長
「大宇陀道の駅、あきののゆは、選定委員会で選定しています」
農林商工部長
「選定基準は、美榛苑の場合と同じです。全国的な傾向として、合格点は70点です」
奥議員
「指定管理料は?」
農林商工部長
「大宇陀道の駅は500万円、室生の道の駅は30万円、あきののゆは収益がなく0円です」

審議の続きは、2019年5月14日10時から総務産業常任委員会でおこなわれることとなった。

高見市長は、「情報公開」「住民への説明」という公約を果たしてほしい。
委員会ではなく、宇陀市内で生放送(うだチャン11ch)されている本会議で審議してほしい。
委員会も生放送すべきだ。傍聴に行けない市民がたくさんいる。

次回の臨時会は、2019年5月17日10時から、採決などがおこなわれる。
この日の臨時会は10時に始まったが、22時半頃に閉会した。
(政治部)