[医療]宇陀市立病院をどうするか 解消されない医師不足

宇陀市立病院
宇陀市立病院

宇陀市議会の2014年6月議会において、宇陀市立病院の今後についての質疑応答がおこなわれた。

行政側の答弁によると、宇陀市立病院は、なんでもできる総合病院ではなく、地域の連携による医療体制(地域包括ケア、在宅医療、在宅介護)を目指していくそうであるが、計画は奈良県の「地域医療ビジョン」作成待ちといった感じであった。

高齢化への医療体制の強化については、宇陀市立病院は、内科・整形外科を強化していくそうである。
高齢者医療に欲しいのは、認知症ケア、脳外科、脳神経外科、循環器なんだが。

2004年(平成16年)からの臨床研修医制度により、大学を卒業した医師は都市部に集中するようになり、全国的に地方での医師不足が進んだ。
2004年(平成16年)、宇陀市立病院には常勤医師が28人いたそうだが、現在は、常勤医師は18人しかいない。非常勤医師が37人いるが、入院治療・救急医療・夜間救急に対応できないという問題がある。

宇陀市立病院は「奈良県立医科大学の附属病院」らしい。奈良県立医科大学から医師を派遣してもらっており、宇陀市立病院はいつまでたっても医師不足である。
宇陀市立病院を、徳洲会グループの病院にするかしないかで、もめたことがあったと思うが、徳州会グループの病院にしていたら、医師不足・診療科不足は解消されていたのではと思われるほどだ。

2008年(平成20年)までは、宇陀市立病院には産科があったそうだ。年間40件の出産があったそうだ。

宇陀市に産科がない今、宇陀市から一番近い産科は、奈良県立医科大学である。しかし、救急車で30分かかる。場合によってはそれ以上かかるだろう。
産科がないのは、若い世代の定住できる街とは言えない。
奈良県立医科大学において、産科医師の育成が進められているようだが、宇陀市立病院に産科ができるのはまだまだ先になりそうだ。
(社会部 竹田克司)