「宇賀志防災拠点整備事業」は、消防機庫の新築だった

完成予定図

廃校となっていた旧 宇賀志小学校を解体し、防災拠点施設をつくるという「宇賀志防災拠点整備事業」は、「消防機庫」の新築でした。

「防災拠点事業」と聞いていたので、災害のときの住民避難所、医療用ヘリコプターの着陸場、集会所など、さまざまな使い方がされるものだと感じていましたが、けっきょくは「消防機庫」の新築でした。

担当課である宇陀市危機管理課長におたずねしました。

新築工事は、2023年8月25日までに完了する予定で、2023年9月から「菟田野第3分団機庫」として使われる予定だそうです。
宇賀志、佐倉、駒帰の機庫が、移転してきます。
消防車3台が停められる車庫と、研修室(広さ196㎡)があります。

医療用ヘリコプターの着陸はできないそうです。ヘリコプターの風が、近隣のビニールハウスを吹き飛ばしてしまう可能性があるからだそうです。

備蓄品については、アルファカ米(水で調理できる米)、飲料水、毛布などを予定しているそうです。数量は未定です。

避難所として使う場合、消防団員ではなく、市職員が対応するそうです。もし、各地に避難所をたくさん開設すれば、各地にたくさん市職員を配置しなければならないそうです。したがって、災害の状況・場所などによって、開設する避難所を考えて、避難所を開設しているのが現状だそうです。

「菟田野第3分団機庫」は、〝今後の調整〟によっては、防災研修としての場所、災害発生時の避難所、選挙投票所、地元住民の集会所などとして使われる可能性はあるとのことです。

建設費用は、今年度(令和5年度)の当初予算額は、1億3,823万3,000円。
前年度(令和4年度)に出された当初予算額では、1億1,088万2,000円だったので、2,735万円高くなりました。

財源は、ふるさと応援基金(ふるさと納税)650万円と、緊急防災・減災事業債(市の借金)1億3,390万円と、一般財源216万7,000円です。

緊急防災・減災事業債(市の借金)1億3,390万円について、財政課におたずねしました。
「緊急防災・減災事業債とは、20年かけて返済するものです」
最初の3年間は、元金すえおき・利息支払いとなっているそうです。
緊急防災・減災事業債は、返済した金額の7割ぐらいが、地方交付税として、宇陀市に戻ってくるそうです。しかし、市の借金が増えたことは、事実です。

建設中の消防機庫(2023年4月23日撮影)

[生活]宇陀の気温、30年間で3~4度も上昇していた

気象庁 大宇陀観測所(大宇陀下竹)

気象庁大宇陀観測所(宇陀市大宇陀下竹)のデータによると、宇陀市でも温暖化とみられる気温上昇が明らかとなった。

2022年7月の月平均温度は24.7度、月平均最高温度29.9度、月平均最低温度20.9度、日の最高温度35.3度、日の最低温度17度だった。

20年前のデータを見ると、
1992年7月の月平均温度は23.2度、月平均最高温度27.9度、月平均最低温度18.9度、日の最高温度32.8度、日の最低温度15.2度だった。

30年前のデータを見ると、
1982年7月の月平均温度は21.4度、月平均最高温度25.9度、月平均最低温度17.5度、日の最高温度30.6度、日の最低温度11.3度だった。

30年のあいだに、
月平均温度は3.3度上昇、月平均最高温度は4.0度上昇、日の最高温度は4.7度上昇していた。

宇陀は、奈良市や奈良盆地よりも3度程度、気温は低いが、「夏は冷涼な高原都市だ」とは、もはや言い切れない。
熱中症に気をつけなければならない。

[行政]日赤募金紛失から8年、募金の管理はどうなった

非常用バッテリー(日赤榛原分区)

2021年6月1日から、宇陀市厚生保護課は、宇陀市内のすべての自治会(町内会)に、日赤募金への協力を呼びかけている。

日赤募金の紛失事件(2013年)

2013年(平成25年)4月、厚生保護課内で保管されていた日赤募金の紛失が発覚した。
紛失した金額は、総額308万8,161円だった。
2018年(平成30年)11月、検察は、容疑者不詳の不起訴処分を決定した。

2013年当時、募金の管理を担当していたのは、女性職員F氏1名だけだった。
F氏は、懲戒免職(2015年2月)となり、362万7,112円を自主弁済した。

内部(職員)による犯行と思われる募金の紛失は、市民に行政への不信感を抱かせ、その後の募金額は減った。

年々の募金額
2013年度(平成25年度)330万0,264円
2014年度(平成26年度)203円4,012円
2015年度(平成27年度)269万3,177円
2016年度(平成28年度)259万8,072円
2017年度(平成29年度)247万4,994円
2018年度(平成30年度)243万7,601円
2019年度(令和元年度)257万2,659円
2020年度(令和 2年度)244万5,782円

ある市民の意見
「そもそも、募金って、するかしないか個人の自由やろ?」「自治会(町内会)の金をとるのは、やりすぎちゃうか?」

日赤募金について、現在の管理方法や、すべての自治会(町内会)に募金を呼びかける理由などを、厚生保護課長に説明していただいた。

厚生保護課 篠田課長
当時、市民の皆様からお預かりした大切な募金を紛失したことは、申し訳ございませんでした。再発防止策を強化いたしまして、現在は改善されております。

1.厚生保護課内で、募金(現金)を保管しないように変更しております。

2.厚生保護課の窓口で、募金(現金)を受領しないように変更しております。各自治会に、振込用紙(日赤専用の振込用紙)を配布し、振込用紙での納付をお願いしております。2020年度(令和 2年度)は、振込納付が187件、窓口納付が10件でした。

3.窓口に持参される方もおられますので、窓口で受領する場合は、複数人で受領するようにし、当日のうちに銀行入金しております。銀行窓口が閉まっている場合は、市役所出納室の金庫で一時保管し、その後に最速で銀行入金しております。専用通帳(日赤宇陀市地区長口座)で管理しております。

4.募金は、日本赤十字社奈良県支部に送金され、日本赤十字社の活動につかわれています。日本赤十字社は、災害の被災地に救援物資を提供したり、医師・看護師を派遣したり、さまざまな人道支援活動をおこなっていることは、ご存じかと存じます。日本赤十字社は、みなさまの募金(社費)によって運営されており、みなさまのご協力(募金)が欠かせません。

5.募金(社費)の一部は、宇陀市の日赤分区(榛原分区・大宇陀分区・菟田野分区・室生分区)に配分されております。おもに、災害用品の購入をおこなっております。日赤分区は、各地域事務所(榛原分区は厚生保護課)が、ボランティアで兼務しております。

6.日赤分区に配分された募金(社費)は、たとえば榛原分区ですと、これまでに、非常用バッテリー、乾電池などを購入させていただいております。非常用バッテリーは、災害などで停電になった地域で使っていただけるよう、購入いたしました。

7.すべての自治会(町内会)に募金へのご協力をしておりますが、募金をするかどうかは自治会ごとの判断になります。金額についても、自治会で決めるのか・世帯ごとで決めるのか、自治会によって、ちがいます。

8.募金額は、少しずつ減少しておりますが、人口減少が一因だと思われます。担当課といたしましては、金額よりも、募金に協力してくださる自治会の「数」が増えてきていることを、うれしく思っております。

9.みなさまのあたたかいご協力をたまわりますよう、お願い申し上げます。

※ちなみに、現在の課長は、紛失事件当時の課長とは、別人である。

赤十字のポスター

宇陀市内の日赤分区 は、日本赤十字社から(少額だそうだが)配分された募金で、災害用品などを購入しており、募金は宇陀市民のためにも役に立っている。
宇陀市は、地震・津波など、大災害を経験していないため、「災害」や「募金」への関心は低いだろう。
日赤分区が購入したもの(募金のつかいみち)は、広報などで、市民に報告してほしい。

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関連リンク
日本赤十字社ホームページ

[台風]榛原内牧~曽爾村山粕、雨量規制で通行止め

通行止めの急告(2020年10月10日・榛原駅)

2020年10月10日、台風14号が奈良県に最接近し、国道369号線の榛原上内牧~曽爾村山粕の間では、雨量規制のため通行止めとなった。

路線バス(榛原駅発~曽爾村役場行き)は、上内牧までの運行となった。

台風14号については、2020年10月9日17時に、自主避難場所(榛原小学校体育館、大宇陀小学校体育館、菟田野小学校体育館、室生ぬくむりの郷)が開設され、翌日(2020年10月10日)7時に閉鎖された。

奈良地方気象台は、2020年10月9日22時52分に大雨警報を発表し、翌日(2020年10月10日)16時34分に解除した。

奈良交通バス路線図(榛原駅~曽爾村役場)